2022年5月9日

AKB48の曲にもある、サステナブル。私もグロービスの「組織行動とリーダーシップ」という講義を3ヶ月間受けて初めてその意味や使われ出した経緯を知ることができました。サステナブルという概念は1980年代くらいからあったそうですが、実際に経営に取り入れ出したのがユニリーバという外資系の日用品メーカーで、リーマンショック後の2009年に当時のCEOポールマンがUSLP戦略(ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン)を始めたのがきっかけだったと理解しています。

それまでのユニリーバでは、基本的に先進国向けにマーケ活動を投下していましたが、市場飽和やP&Gなどの競合の台頭でユニリーバを取り巻く環境が厳しくなっており、今後は開発途上国向けにビジネスを展開していかないといけない背景がありました。そこでユニリーバは、開発途上国向けにビジネスを展開する上で環境負荷削減の目標を立てつつビジネスを2倍にするという二律背反するビジョンを掲げ、当時の社員や株主からは現実離れしたプランだということで大反対されていたそうです。

ただCEOポールマンや幹部などが中心となって組織改革を含めて推し進めた結果、業績や株価が上がり始め、今では『サステナブル経営」というのがどの企業でも当たり前のようになってきているのではと思います。環境負荷を減らすか、ビジネスを2倍にするかという二者択一ではなく、両方とも実現してしまおうとしたポールマンの判断力と推進していったリーダーシップは見習いたいと思います。

井上 智弘