2022年4月28日
手段の目的化は、まさに視野狭窄になっている1つの例だと思います。例えば、上場が目標です、という会社があるとすれば上場は本来資金調達をするための手段であるにもかかわらず手段が目的化してしまっている。(そもそも資金調達も会社にとっていち手段ではあるが、、)。あとは、身近なところでいくと結婚もそれで、この人と結婚したい、とよく聞く話だが結婚は単なる手段に過ぎず結婚してどうしたいのか、とか、結婚しないと実現できないことがあるのか、といったことが大事だと思う。
あとは、採用活動もそれで、ふつうは採用担当者の重要なKPIは採用人数。ただ、採用も手段に過ぎず採用してどうしたいのか?採用しないと実現できないことがあるのか?というのが大事。営業マンの採用面でいくと、会社の売上アップ、利益アップにつなげるためにもっと営業マンのヘッドカウントを増やして採用をがんばろうという企業があるとすれば違和感を感じる。
例えば、売上アップにつなげるには、自社で営業マンを採用する以外の手段として営業マンをアウトソースで利用することもあり得る。また利益アップにつなげるためには、むしろ営業マンの採用人数を減らした方が、高い採用コストや人件費を抑えられることから営業利益は増えるはず。つまり採用人数も手段の目的化の典型例になっている。
そもそも人口減少の社会で採用活動を頑張るという発想が時代に逆行しており、採用にこだわらず自社のビジネス拡大のために人やサービスを利用する(社内でも、社外でも関係なく)、という視野を広げた発想にならないと今後は厳しくなってくると考えています。
井上 智弘